サイト内更新情報(Pick up)
2024年10月18日
専門家
税理士に税務相談する際に用意していただくもの
税務相談の対象になる税目、つまり税金の種類は様々です。例えば、毎年の所得については所得税、相続が発生した場合には相続税、贈与を受けた場合には贈与税の相談を行うことと・・・
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2024年9月18日
相続税
遺留分を請求した場合の相続税申告について
遺言により、特定の人がすべての財産を取得するとされた場合、他の相続人は、遺留分を侵害されたとして、遺留分の請求を行えることがあります。遺留分を請求した場合は、相続人は・・・
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2024年8月19日
所得税
個人型確定拠出年金(iDeCo)と所得税
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、20歳以上60歳未満の、国民年金か厚生年金のいずれかに加入している人であれば、誰でも加入することができる個人年金です。個人型・・・
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2024年7月12日
相続税
税理士による相続人の調査
相続税を計算するためには、相続人の人数を確定させる必要があります。相続税には、基礎控除が適用され、3,000万円+600万円×法定相続人数までは、相続税が課税・・・
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2024年6月26日
所得税
所得税の計算方法
給与収入や年金収入で生活している場合は、所得税が課税されるとしても、源泉徴収がされているため、別途、申告や納付をしなくてもよい場合が多いです。扶養控除や生命・・・
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2024年5月2日
贈与税
夫婦間贈与について
夫婦間でお金のやり取りをすることは、頻繁になされていることだと思います。では、こうした夫婦間のお金のやり取りに対しても、贈与税は課税されるのでしょうか。まず・・・
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2024年4月4日
所得税
不動産所得と確定申告
所有している土地や建物を賃貸している場合には、賃料収入が発生します。このような賃料収入については、不動産所得として確定申告を行う必要があります。給与所得の場合は、給・・・
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当サイトの更新情報
こちらでは、当サイトにおいて更新された情報をまとめております。情報のカテゴリーも表示しているため、どのような情報が更新されたのか一目で確認することができます。
便利なアクセス
駅から近い場所に事務所があるため、税理士にご相談いただきやすくなっております。税に関するお悩みがおありの方は、ぜひ一度ご相談ください。
税理士への無料相談をお考えの方へ
1 税理士への無料相談の目的
申告や顧問を依頼する税理士をどのように見つけるかについて、悩まれる方は多いと思います。
特定の税目については、税理士によって、詳しい知識・経験を有しているか、あるいはそうではないかが顕著に分かれてきます。
特に、税額を減額できる特例の有無については、知っているかいないかによって、用いることができるかどうかが大きく違ってきます。
このような知識・経験の有無によって、申告する税額が大きく変わってくることもあります。
このため、十分な知識・経験を有している税理士を見つけることができるかどうかが重要になってきます。
しかし、税理士が十分な知識・経験を有しているかどうかについて、事前に情報を得ることは困難かと思います。
特定の税目については、経歴の長い税理士であっても、過去に扱ったことがあまりないということがあり得ます。
また、特定の税目に専門特化していることをうたっている事務所であっても、個々の税理士が十分な知識・経験を有しているかは、判然としません。
そこで、複数の税理士に相談し、相談への税理士の回答内容を比較することにより、どの税理士が詳しい知識・経験を有しているかを確かめることが考えられます。
その際に無料相談を積極的に活用できれば、複数の税理士に相談し、比較することへのハードルは下がってくるでしょう。
このような目的から、無料相談を積極的に利用していくことがよいかと思います。
2 無料相談で着目すべきポイント
無料相談を行う際には、様々な着目すべきポイントがあるものと思います。
顧問を依頼するなど長く付き合うのであれば、税理士個人との相性が合う合わないも、重要な着目すべきポイントであると思います。
他にも、同じ問題について、どれだけ有効な対策を提案できるかも、重要な着目すべきポイントでしょう。
有効な対策を提案できる税理士であれば、十分な知識や経験を持っており、それを駆使することができると考えられるからです。
このため、無料相談では、一つの問題に対して、それぞれの税理士がどのような提案を行えるかについても、重要な着目すべきポイントになるものと思います。
これらの事項を比較し、申告や顧問を依頼する税理士を決めるのがよいかと思います。
当法人は、税理士へのご相談につきましては、初回は無料となっています。
申告や顧問を依頼する税理士をお探しの方は、当法人の無料相談を利用することにより、当法人を選択肢の1つとして考えていただけますと幸いです。
税理士法人の強み
1 税理士法人について
税理士法人は、複数の税理士が設立する法人のことです。
税理士事務所は、個人事業主と同じように、個人の税理士が税理士業務を行うのに対し、税理士法人は、会社と同じように、法人組織が税理士業務を行うこととなります。
当法人も税理士法人となりますが、それでは税理士法人は、税理士事務所と比較して、どのような点で特色があるのか、以下でご説明したいと思います。
2 支店を設置することができる
税理士法人と税理士事務所の1つ目の違いは、支店を設置することができるか否かという点です。
税理士法人の場合は、支店を設置することができます。
支店を設置することにより、様々な地域において、統一的なサービスを提供することができます。
税理士事務所の場合も、複数の地域の税理士事務所が業務提携を行っていることもあります。
もっとも、複数の税理士事務所が業務提携を行う形態だと、どのような方針で業務を行うか、どのような費用体系でサービスを提供するかは、個々の税理士事務所の個性に左右されがちです。
これに対し、税理士法人の場合は、代表税理士の方針に依拠して、同様の方針で、同様の費用体系でサービスを提供することがしやすいと言えます。
この点は、様々な地域に居住する顧客の受け皿となり得るという点で、税理士法人の大きなメリットになります。
3 継続的に業務を行うことができる
税理士法人と税理士事務所の2つ目の違いは、業務の継続性があるか否かという点です。
税理士事務所の場合は、個人事業主と同じですので、個人の税理士が廃業すると、消滅することとなります。
これに対し、税理士法人の場合は、所属税理士が退職したとしても、法人組織が継続する限り、継続的に業務を行うこととなります。
この点は、特に、相続税対策との関係で、大きな利点となります。
相続税対策では、長期的な関与が必要となることがあります。
たとえば、毎年の生前贈与を繰り返す場合や、金融資産を不動産に切り替える等、資産構成の変更を行う場合は、年単位の対策が必要となります。
自社株の贈与や売却を行う場合も、年単位で、有利な時期を見計らって贈与や売却を行う必要があります。
そして、こうした対策を踏まえて、相続発生後の相続税申告を行ったり、引いては、その次の世代への相続税対策も行ったりすることもあります。
こうした長期的な関与は、税理士法人であればこそ、継続性をもって行い得るものであると言うことができます。
相続税のお悩みも税理士へ
1 相続税の難しさ
相続税については、他の税目と比較して、税務調査がなされる割合が大きいといわれています。
その背景には、相続税の独特の難しさがあります。
ここでは、具体的にどのような点で難しい問題があるのかについて、説明を行いたいと思います。
2 財産を所有していた人が亡くなっていること
所得税でしたら、財産を所有していた人自身は存命です。
このため、所得税の申告の基礎になる情報を得ることは、それほど難しいことではありません。
不明点があれば、ご自身の記憶をたどれば明らかになるからです。
他方、相続税については、相続税の申告を行う時点では、財産を所有していた人自身は亡くなっています。
相続人が把握している情報も、断片的なものであることが多いです。
このため、相続税申告の場面では、情報の収集から始める必要があります。
また、収集できた情報自体からは明らかにならない部分については、推測する必要もあります。
例えば、預金については、過去5年分程度の通帳がすべて残っている場合は比較的スムーズに申告できるかとは思いますが、これが残っていない場合は、預金口座が存在する銀行・支店がどこにあるのかを調査し、特定でき次第、各口座の取引履歴を取得する必要があります。
また、取引履歴を取得したあとは、出入金の経緯を確認し、いつ、どのような財産の動きがあったのかを推測する必要もあります。
こうした、情報収集し推測する作業は、一朝一夕には十分にできず、相続税申告を何度か経験していないと難しいかと思います。
3 申告誤りの不利益が大きい
相続税の算定の基礎になる財産は、不動産、預貯金、金融資産等、ある程度の評価額が付される財産です。
このため、申告誤りがあった場合には、評価額が大きく変動することとなり、課税される相続税も大きく変動することとなります。
そして、申告漏れがあり、後日、税務調査により指摘がなされた場合には、不足分の相続税を納付しなければならないばかりか、過小申告加算税や延滞税も納付しなければならなくなります。
このような理由から、相続税については、申告誤りがあったときの不利益が大きいといえます。
4 税理士へのご相談
以上の点を踏まえると、相続税については、適切な申告を行うことができる税理士にご相談いただくのがよいと思います。
当法人は、相続税のこのような性質を踏まえ、相続税を集中的に取り扱う税理士がご相談をお受けしています。
相続税について税理士への相談をお考えでしたら、当法人にお問い合わせください。
税金について税理士に相談するべきタイミング
1 税理士に相談するべきタイミングは申告期限で決まる
所得税、法人税、相続税、所得税等の税金が課税される場合は、申告書を提出し、納付を行う必要があります。
申告書を作成するにあたり、税理士に相談する必要が生じることもあります。
税金の申告手続きの負担軽減のために税理士に任せたいという場合もあるかと思います。
これらの税金について、税理士に相談するべきタイミングは、どの税金が問題になるかによって異なってきます。
なぜなら、税金によって、申告期限が異なるとともに、申告の準備のために必要な期間も異なるためです。
ここでは、代表的な税目について、税理士に申告するべきタイミングを説明したいと思います。
いずれも、申告の準備のための期間が必要ですので、お早めのご相談をおすすめします。
2 所得税
所得税の申告期限は、毎年の3月15日です。
3月15日が休日の場合は、次の平日が申告期限となります。
この日までに、申告書を作成し、税務署に提出する必要があるということとなります。
所得税の申告書の作成には、おおむね1~3週間程度の期間を要します。
事業をされている場合には、さらなる期間を要することもありますので、基本的には、1~2か月程度の期間をみておいた方がよいかと思います。
こうした準備期間を踏まえて、税理士に相談するのがおすすめです。
3 法人税
法人税の申告期限は、決算期の末日です。
法人税の申告書の作成には、基本的には、1~2か月程度の期間は必要です。
十分な準備期間を設けることができるように、早めに税理士に相談するのがおすすめです。
4 相続税
相続税の申告期限は、相続が起きたことを知ってから10か月後です。
基本的には、被相続人が亡くなってから10か月以内に、相続税の申告書を作成し、提出する必要があります。
相続税については、準備すべき資料が多岐に渡りますので、申告書の作成に1~3か月の期間を要します。
また、相続人同士の意見調整が必要な場合には、さらなる時間を要することもあります。
このため、相続税については、できるだけ早く税理士に相談した方がよいかと思います。
5 贈与税
贈与税の申告期限は、贈与を受けた翌年の3月15日となります。
3月15日が休日の場合は、次の平日が申告期限になります。
贈与税の申告書を作成するには、1~3週間の期間を要します。
税金について税理士に相談すべきケース
1 税金の申告が必要になる場合がある
給与収入や年金収入で生活していると、税金の申告を普段行わない方が多いものと思います。
給与収入や年金収入については、源泉徴収が行われており、源泉所得税を差し引いた上で支払いが行われていますので、多くの場合、税金の申請を一切行わなくても問題は生じにくいかと思います。
とはいえ、一定の場合には、臨時で確定申告を行わなければならない場合が生じてきます。
このような場合に確定申告を行わず、税金も納付しないでいると、後日、加算された税金を納付しなければならなくなるおそれがあります。
このように、臨時で確定申告が必要になった場合には、税理士等の専門家にご相談いただいた方がよい場合があります。
ここでは、臨時で確定申告を行わなければならない例について、説明します。
2 不動産を売却した場合
不動産を売却し、利益が生じた場合には、利益に対して15%または30%(復興特別加算税を除く)の所得税が課税されますので、確定申告を行う必要があります。
つまり、過去に不動産を購入した時の金額(ただし、建物については、減価償却計算を行った後の金額)と比較して、高い金額で不動産を売却することができた場合には、確定申告を行う必要があることとなります。
また、過去に不動産を購入した時の金額が不明であり、手がかりとなる材料が無い場合も、売却によって利益が生じているものと扱われてしまいます。
自分の不動産を売却した場合には、このような税金が発生します。
また、相続した不動産を売却した場合にも、このような税金が発生しますので、注意が必要です。
3 税理士に相談すべきケース
不動産を売却して確定申告を行う必要が生じることは、人生で何回も無いことだと思います。
このような場面では、そもそも、確定申告の仕方がわからないということも多いかと思います。
申告内容に間違いがあり税務署から指摘を受けると、余分に税金を納めなければならないこともありますので、お困りのことがありましたら、税理士へご相談いただくことをおすすめします。
各専門家が協力できることの強み
1 税理士と他の専門家との連携
税理士は、会社や個人事業主の経営に深く関わる職業であるといえます。
会社や個人事業主の経営においては、他の専門家との連携が必要になってくることがあります。
ここでは、他の専門家との連携が必要になる場面の例として、行政書士との連携について説明したいと思います。
2 行政書士との連携
一定の事業については、事業活動を継続的に行うため、定期的に許認可を得なければなりません。
例えば、建設業については県の営業許可が必要になります。
飲食業については保健所の営業許可が必要になります。
他にも、農業を営んでいる場合には、農地の取得、譲渡、用途変更等を行うべき場面があるものと思います。
このような場面では、農地法の許可を得るため、農業委員会に対する申請が必要になることが多いかと思います。
このように、行政機関に対して、許認可の申請を行うにあたっては、所定の書式に基づき、漏れのない申請書を作成する必要があります。
また、申請にあたっては、多種多様な添付書類を準備する必要があります。
これらの書類に不備があると、許認可がなされず、営業活動を行うことができない事態に陥りかねません。
こうした行政機関に対する申請の手続きは、行政書士の専門分野となっています。
このように、許認可を得る必要がある場面では、行政書士と連携する必要が生じることがあります。
3 当法人の体制
当法人は、様々な士業と連携しながら、多くの案件を取り扱っています。
このため、税理士にご相談いただく中で、他の士業に相談すべき問題が生じた場合も、適切に対応することが可能です。
この点は、当法人の強みの1つであるということができます。
不動産に強い税理士に依頼するメリット
1 不動産と税金
税金で不動産が問題になる場面は、しばしばあります。
このような場面では、依頼する税理士が不動産に強いかどうかによって、申告内容が大きく異なり、納付すべき税額も大きく異なってくる可能性があります。
以下では、税金で不動産が問題になる場面の例を、いくつか挙げたいと思います。
2 相続税・贈与税
相続税・贈与税では、相続または贈与の対象になった財産の評価額を算定する必要があります。
そのためには、不動産の評価額がいくらであるのかを計算しなければなりません。
不動産の評価額の算定結果は、税理士によって、大きく異なってくる可能性があります。
例えば、不動産については、容積率、土砂災害特別警戒区域等の公法上の規制、区分等の有無により、評価額が減額されることがあります。
こうした公法上の規制、区分等について、調査を尽くし、適切に不動産の評価額を減額計算できるかどうかは、税理士によって異なってきます。
3 所得税
不動産から賃料収入が発生している場合は、賃料収入が所得となりますので、基本的には、所得税の申告を行う必要があります。
また、不動産を売却した場合には、不動産の売却益について、譲渡所得税が課税されます。
不動産の売却益については、かつて不動産を購入したときの価格と、今回、不動産を売却する価格との差額が、課税の対象になります。
かつて不動産を購入したときの売買契約書が残っている場合は、売買契約書を用いて不動産を購入したときの価格を証明することができますが、売買契約書が残っていない場合は、不動産を購入したときの価格をどのようにして明らかにするかが問題となります。
財産評価に強い税理士に相談すべき理由
1 財産評価の結果は税理士によって異なることがある
納付すべき税金の額を算定する前提として、財産評価を行うことは、しばしばあります。
特に、相続税や贈与税については、相続や贈与の対象になった財産について、財産評価を行うことが必要不可欠です。
財産評価の対象となる財産が現金や預貯金等の場合は、基本的には金額どおりの評価になるでしょうから、評価の結果が異なることはないでしょう。
他方、対象となる財産が不動産や非上場株式の場合は、評価のルールが複雑であり、評価結果も税理士によって異なってくることが多いです。
ここでは、不動産について、評価の結果が税理士によって異なり得ることを説明したいと思います。
2 不動産評価の特殊性
不動産の評価方法については、財産評価基本通達等によって、おおむねのルールが定まっています。
評価のルールが定まっているのであれば、評価の結果に違いが出ないのではないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。
この評価のルールは非常に複雑で、多岐に渡りますので、ルールを適切に適用できるかどうかは、評価を行う税理士によって異なってきます。
ルールを適切に利用できるかどうかが異なってくる原因の1つに、公法規制を参照しなければならないことが多いことがあります。
たとえば、市街化調整区域内の雑種地については、建物の建築が可能かどうかによって、評価額の減額割合が異なってきます。
そして、建物の建築が可能かどうかについては、都市計画法、条例、建築審査会基準を確認し、これを現地の状況にあてはめることにより判断する必要があります。
こうした都市計画法、条例、建築審査会基準は、普段の生活では目にすることがあまりないものであり、これらの概略だけでも把握している人は少ないでしょう。
このように、不動産を適切に評価するためには、法律の中でも、普段の生活にあまり関わってこない知識を把握しておく必要があります。
税理士であっても、こうした知識を把握しているかどうかは、それぞれで大きく異なっています。
このような事情から、不動産評価の結果は、税理士によって異なってくることとなります。
3 税理士へのご相談
このように、申告の場面では、財産評価を適切に行うことができるかどうかが重要になってきます。
財産評価が適切にできなかったがために、本来よりも多くの税金を納めなければならないこととなる事態も生じ得るところです。
財産評価を適切に行い、合理的に算定された税金を納付するためにも、特に相続税や贈与税については、財産評価に強い税理士にご相談いただくのが良いものと思います。
税理士に相談してから申告までにかかる時間
1 税理士が所得税申告を行う場合
所得税の場合、給与や年金のみが収入である場合は、申告までにかかる時間は比較的短いかと思います。
申告書を作成するのに必要となる書類についても、源泉徴収票や生命保険料、社会保険料の控除証明書等、特定の書類に限られますし、これらの書類の情報を入力して申告書を作成するのにも、それほど多くの時間を要しないことが多いでしょう。
スムーズに進めば、1~3週間で申告書を作成することができます。
他方、事業収入がある場合は、帳簿をまとめたりチェックしたりすることから始める必要がありますので、申告までに多くの時間を要します。
きちんと帳簿が作成されていない場合は、請求書、領収書等の書類を一通り整理し、これらのすべてを入力して、帳簿を作成する必要も出てきます。
この場合は、少なくとも、1~3か月の時間が必要になると思われます。
2 税理士が贈与税申告を行う場合
減額特例を利用しない場合は、たいていは、1~3週間の時間があれば、申告書を作成することができると思います。
他方、減額特例を利用する場合は、追加で書類を準備する必要があることがありますので、こうした書類を準備するための時間も必要になります。
例えば、住宅取得資金の贈与の非課税枠を用いる場合は、ハウスメーカーに依頼し、一定の書類を作成してもらわなければならなくなります。
減額特例を用いる場合は、こうした書類を作成するのに必要な時間も見込んでおかなければなりません。
3 税理士が相続税申告を行う場合
相続税の場合は、きちんとした申告書を作成するのであれば、大量の資料を準備し、整理した上で、申告書を作成する必要があります。
また、遺産分割が完了しているという前提で申告を行う場合には、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名等を得る必要も出てきます。
そのためには、1~3か月程の時間を見込んでおく必要があると思います。
4 相談のタイミング
このように、申告書の作成は、ケースによって、長い時間を必要とすることがあります。
この点を踏まえると、早めにご相談いただくのが望ましいと言えます。
税理士に相談・依頼するまでの流れ
1 税理士への相談をお考えの方へ
すでに顧問契約を結んでいる税理士がいる場合は、税理士に相談する場面が定期的にあるものと思いますが、新たに税理士に相談しなければならなくなった場合は、どのような流れで相談を行うか、戸惑われる方が多いものと思います。
ここでは、税理士への相談の流れについてまとめたいと思います。
2 相談に向けた準備
相談に先立って、相談の際に持っていく資料を準備しておいた方がよいと思います。
これらの資料を税理士に確認してもらうことにより、より適切な回答が得られることが期待できるためです。
顧問契約を締結する前段階での相談である場合は、事業の現状や過去の申告の状況を確認した上で、相談を行うこととなると思います。
この場合、事業の帳簿や過去の申告書等の資料を確認する必要があります。
また、個別の税金の問題についての相談であっても、問題意識を共有するために、相談時に資料を確認する必要があるかと思います。
何が必要な資料であるかについては、事前に税理士または税理士事務所の職員に問い合わせると、確認できることが多いようです。
3 税理士に相談する
相談の進め方は、個々の税理士によって異なります。
基本的には、自分から現在の状況や問題になっている事項を説明し、税理士へ回答を求めることとなります。
追加の説明が必要な場合には、税理士から質問がされると思います。
1回の相談で問題が解消しなかったり、新たな疑問点が生じたりした場合には、再相談を行うことになります。
意外に、相談が終わった後に税理士のアドバイスを思い返したりすると、追加で疑問点が出てくることは多いですので、このような場合には、再相談することを検討していただくことをおすすめします。
4 依頼をする
相談のみでなく、税理士に今後の関与を依頼したい場合には、その旨を税理士に伝えます。
この場合には、税理士との間で、税理士が関与する範囲や税理士費用について協議します。
これらの事項について合意が成立した場合には、税理士と正式に契約を締結し、税理士の関与が始まることとなります。
税理士報酬は事務所によって設定が異なりますので、どのような場合にいくら費用がかかるのか、しっかりと確認することが大切です。
税理士を依頼する場合の税理士の選び方
1 スピーディーな対応
税理士の仕事は、スピーディーな対応が必要です。
例えば、税務調査が入ることとなってしまった場合を考えてみます。
迅速な対応ができない税理士ですと、税務調査の当日までに、問題点の把握ができず、税務調査の場面でも、税務署の指摘に唯々諾々としている状態に陥ってしまうかと思います。
このような場面では、税務調査に先立ち、税理士が素早く的確に問題点を把握し、事前に打合せを行い、万全の体制で税務調査の当日に臨むことが望まれます。
このことから、税理士に依頼する場合には、スピーディーな対応が可能な税理士に依頼すべきであるといえます。
2 記帳代行に対応
会社や個人事業主の側のニーズとして、売上や経費についての帳簿を作成することにリソースを割くことができないため、代わりに帳簿の作成を依頼したいといったものがあります。
請求書や領収書等の書類が膨大になってくると、帳簿の作成が後回しになってしまいがちであり、結果的に、申告期限の直前に、大慌てで帳簿を作成しないといけないという事態に陥ることは、しばしばあるのではないでしょうか。
このような事態を避けるためにも、請求書や領収書の整理、帳簿の作成を、誰かに委ねたいというニーズがあります。
このようなニーズをお持ちでしたら、いわゆる記帳代行に対応している税理士に依頼すべきかと思います。
3 ニーズに合った税理士を選ぶ
税理士に依頼したい内容は人それぞれ異なります。
どのようなニーズで税理士が必要かを考え、そのニーズに合った税理士を選ぶことが重要であるといえます。
また、税理士と顧問契約を結ぶことを考えている場合は、その税理士と長い期間、関係を持つことになりますので、税理士との相性や信頼関係を築けるかどうかという点も大切になります。
そういった部分は、実際に話してみないと推し量れないかと思いますので、まずは相談してみるとよいかと思います。
税理士に相談する際に大切なこと
⑴ なぜ税理士との情報共有が必要なのか
⑴ 税理士との情報共有が必要な理由
税理士に相談する際には、税理士と一通り情報を共有する必要があります。
税理士と必要な情報を一通り共有できていなければ、相談に対する税理士の回答が最適なものではなくなる可能性があるためです。
また、税理士に申告を依頼する場合も、税理士が正確に申告を行うためには、情報を十分に共有する必要があります。
情報の共有が不十分だと、過少申告になってしまい、足りなかった本税だけでなく、加算税や延滞税も納付しなければならなくなる可能性があります。
税額の増額につながる可能性のある情報ですと、その分納付する税金が増えることになるため、情報を共有するのに躊躇することもあるかもしれません。
しかし、先述の最適な回答を得られないリスクや加算税・延滞税を追加で納付しなければならなくなるリスクを考えると、情報を税理士へ共有しなかったことによって新たな損害が生じるおそれがあるといえます。
こうした可能性を回避するためにも、十分に情報を共有した方が、より良い結果に繋がります。
また、一通りの情報を税理士に伝えることで、税理士から対処方法を提案してもらい、税額の増額が避けられたり、増額幅を最小限に抑えたりすることができるケースもあります。
こうした契機を作るためにも、税理士との情報共有は必要不可欠ということができます。
⑵ どのように税理士に情報を伝えたらよいのか
もっとも、一通り情報を共有するといっても、どこまでの情報が伝えるべき情報であるかについては、悩まれることがあるかもしれません。
どのようにすれば、税理士に必要な情報を漏れなく伝えることができるのでしょうか。
基本的に税理士は、多くの事案で共通して問題となる事項については、把握しています。
このため、税理士側では、どのような情報を共有してもらう必要があるかについて、共通する要素を把握しており、依頼者の方から必要な情報を得るための質問をするかと思います。
こうした質問に対して回答することにより、一通り必要な情報を共有できることが多いと考えられます。
もっとも、事案ごとの特殊事情については、税理士の方では把握できないこともあります。
こうした点をカバーするためにも、税理士に伝えきれていないと感じられる部分があれば、感覚的に関係がありそうな事項については伝えるという行動も必要になるかと思います。
感覚的に関係がありそうだと感じた事項が、意外にもその事案だけの特殊事情となっており、共有することで、適切に税理士が回答し、申告することが可能になるということは多いです。
そのため、少しでも気になる点があれば、税理士に伝えてみるのがよいと思います。
2 根拠になりそうな資料を確認してもらうこと
相談の際に、根拠になりそうな資料を税理士に確認してもらうことで、税理士側で、より正確な回答や申告を行うことができる可能性が高まります。
口頭で情報を伝えるよりも資料で情報を確認してもらった方が、より正確に情報を伝えることができますし、税理士側で、資料の中で関連性のある部分を確認し、さらなる根拠となる情報を確認することができる可能性もあります。
それでは、根拠になりそうな資料として、何を準備すればよいのでしょうか。
やはり、迷ったら税理士に質問するのが有効です。
税理士は、多くの事案で共通して必要になる資料を把握していますので、このような資料を準備してほしいといった提案を行うことができます。
もっとも、1の情報共有と同様に、事案ごとの特殊事情で例外的に必要となる資料もありますので、この点をカバーするためにも、感覚的に関係ありそうだと感じた資料をご準備いただけますと、適切な回答や申告が可能になる可能性があります。
税理士に依頼する場合の料金
1 税理士の料金の目安
税理士の料金は、それぞれ税理士によって異なります。
最近では、事務所ごとに様々な料金の決め方がなされており、同じ業務であっても、税理士の料金が大きく異なることもあります。
ここでは、税理士に申告を依頼した場合の料金の1つの目安として、日税連の旧報酬規程を紹介したいと思います。
日税連の旧報酬規程自体は、平成14年に廃止されていますが、費用を決める際の目安として、参考とされることもあります。
2 相続税の場合
⑴ 税務代理報酬
税務代理報酬は、相続人の代理人として申告書を提出したり、税務調査になった場合に調査対応をしたりするための費用です。
税務代理報酬については、遺産総額に応じて、以下のとおりとなっています。
5000万円未満:30万円
7000万円未満:45万円
1億円未満:70万円
3億円未満:95万円
5億円未満:120万円
7億円未満:145万円
10億円未満:180万円
10億円以上:190万円
11億円以上:200万円…
ただし、共同相続人+受遺者が1名増すごとに、10%が加算されます。
また、財産の評価等の事務が著しく複雑なときは、費用が加算されることがあります。
⑵ 税務書類の作成報酬
申告書等の書類を作成するための費用です。
税務書類の作成報酬は、税務代理報酬の50%とされています。
また、書面添付を行う場合は、税務代理報酬の20%とされています。
書面添付とは、税理士が申告書の作成等の際に考慮した事項を記載した書面です。
書面添付がなされている場合には、税務調査の事前通知等を行う前に、意見を述べる機会が税理士に対して与えられます。
3 所得税の場合
⑴ 税務代理報酬
税務代理報酬については、以下のとおり、所得金額、年間の取引金額によって決められています。
【所得金額】:【年間の取引金額】
200万円未満 2000万円未満:6万円
300万円未満 3000万円未満:7万5000円
500万円未満 5000万円未満:10万円
1000万円未満 1億円未満:17万円
2000万円未満 2億円未満:25万5000円
3000万円未満 3億円未満:30万円
5000万円未満 5億円未満:40万円
5000万円以上 5億円以上:45万円…
不動産を売却した場合には、不動産の売却代金につき、分離課税により譲渡所得税が課税されることがあります。
このように、分離課税譲渡所得がある場合には、以下の基準を用いることとされています。
【所得金額】:【年間の取引金額】
300万円未満 3000万円未満:10万円
500万円未満 5000万円未満:15万円
1000万円未満 1億円未満:20万円
3000万円未満 3億円未満:35万円
5000万円未満 5億円未満:50万円
5000万円以上 5億円以上:55万円…
⑵ 税務書類の作成報酬
税務書類の作成報酬は、税務代理報酬の30%とされています。
4 税理士に依頼するときの留意点
このように、税理士の費用は、財産額や所得額等によって変わってきます。
また、どこまでの業務を税理士に依頼するかによっても異なります。
ある税理士が安い費用を提示したとしても、その費用では最低限の対応しか行ってもらえないといったこともあり得ます。
したがって、税理士に依頼するときは、提示された費用の範囲内で、どこまでの対応をしてもらえるのかを確認することが重要であるといえます。
税金で困った場合の相談先でお悩みの方へ
1 税金についての相談先
税金について相談したいことがある場合は、誰に相談すれば良いのでしょうか?
税金についての相談としては、売上や経費の仕訳処理、申告書の作成等、様々なものが考えられます。
どのようなことを相談するかによって、適切な相談先も変わってくると思います。
ここでは、税金についての一般的な相談がある場合に、誰に相談を行えばよいかについて、相談先をいくつか紹介したいと思います。
2 国税庁の電話相談
1つ目の相談先として、国税庁の電話相談が考えられます。
国税庁の電話相談の利点は、費用負担なく相談できること、電話があれば、どこからでも相談できることがあります。
また、電話相談でしたら、住所、氏名等の個人情報を伝えずに相談することもできます。
不便な点は、一般的な回答を得られるだけであり、必ずしも必要とされる回答が得られるとは限らないこと、法令に準拠した回答に限られ、節税や経営の観点からどうするのがより良いかということについての回答は期待できないことがあります。
3 税務署での面談相談
2つ目として、お住まいの地域を管轄する税務署へ出向き、その税務署の職員と面談して相談することが考えられます
面談相談の利点としては、電話相談と同じく、費用負担なく相談できること、資料を持参して確認してもらうことにより、より具体的な質問への回答を得られることを挙げることができます。
不便な点としては、単発の質問に対する回答がほとんどであり、継続的な関与を求めることができないこと、やはり、法令に準拠した回答になり、節税や経営の観点からの回答は期待できないことを挙げることができます。
なお、面談相談の場合は、住所、氏名等の個人情報を伝えた上で相談する必要があります。
4 税理士に相談
税金の専門家である税理士も、有効な相談先であると思います。
利点は、税金に関することであれば、継続的かつ多角的に関与することができることが挙げられます。
税理士でしたら、税金に関するささいな相談から、申告書の作成、税務調査への対応まで関与することができますし、節税や経営の観点からどのようにすればよいかという相談も受けることができます。
ただし、税理士によっては、相談時に相談料の費用負担が生じることがあります。
また、税理士が継続的に関与する場合には、基本的に税理士費用の負担が必要となります。
5 目的に合わせて相談先を選ぶ
このように、税金についての相談先としては、様々なものがあります。
それぞれの利点や不便な点を踏まえて、相談の目的に合った相談先に相談するのがおすすめです。
例えば、継続的かつ多角的な観点からの相談を行いたい場合は、税理士に相談するのがよいと思います。
税理士を紹介してもらう際に注意する点
1 税理士にも得意・不得意があることに留意する
税理士を紹介してもらう際には、あらかじめ、どの税目が問題になるかをきちんと伝えておく方が望ましいでしょう。
というのも、税理士には、意外に得意な税目、不得意な税目があるからです。
ときには、特定の税目はまったく扱わないという税理士も存在します。
もちろん、ほとんどの税理士は、一通りの税目について、一定の知識を持っていますし、時間をかけて調査を行えば、一通りの業務を行うことができるでしょう。
とはいえ、税理士にとって不得意な税目であった場合は、相談を受けたり申告書を作成したりする際には、調べながら対応せざるを得なくなり、相談の回答や申告書の作成に時間がかかりがちになります。
また、不得意な税目については、規定の適用の誤りが生じるリスクもあります。
このため、あらかじめどの税目についての問題かを特定し、その税目を得意にしている税理士を紹介していただくのが良いのではないかと思います。
2 最終的には面談時の感触や説明内容で依頼するかどうかを決めるべき
紹介があったとしても、最終的に税理士に依頼するかどうかについては、ご自身で決めていただく必要があります。
依頼するにあたっては、税理士個人との相性が合っているかどうか、税理士の提供するサービスがご自身の需要と合致しているかどうかは、かなり重要な要素になってきます。
たとえば、帳簿の作成についてもまとめて依頼し、ご自身は定期的に請求書や領収書を送付するだけで済むようにしたい場合には、記帳代行に対応している税理士に依頼すべきでしょうし、とにかく税理士費用を下げたい場合には、帳簿の作成についてはご自身で行う前提のご依頼の方が良いかもしれません。
これらの点が確認できるのは、実際に税理士と話をし、税理士の個性やサービス内容を直に確認したご自身以外にはありません。
税理士の紹介を受けたとしても、最終的にその税理士に頼むかどうかは、ご自身で決めていただく必要がありますので、どのような観点で決めるのがよいかの参考にしていただければと思います。
税理士が取り扱う分野は何か
1 それぞれの専門家が取り扱う分野は限られている
専門家に相談する際は、それぞれの専門家が関与することができる分野を意識し、適切な専門家に相談する必要があります。
税理士は、税金の専門家ですので、税金や税務調査に関する質問を行うことができます。
ここでは、税理士が相続で取り扱うことができる分野が何であるかについて、個別に説明したいと思います。
なお、税理士が取り扱うことが可能な分野は以下のとおりとなりますが、税理士によっては、このうち一部の分野しか取り扱っていないということもあります。
個々の税理士に依頼する際には、どこまで依頼することができるのかを確認されることをおすすめします。
2 税務相談
税理士は、税務相談を受けることができます。
税理士以外は、専門家として、税務相談を受けることはできません。
相続税についても、税金に関する疑問があれば、税理士に相談することができます。
たとえば、相続税についての一般的な質問、相続税の計算方法、相続財産の評価についての質問を行うことが考えられます。
将来課税される可能性のある相続税を軽減するための、いわゆる相続税対策についても、税理士に相談することができます。
3 相続人調査、相続財産調査
相続税申告に当たっては、前提として、相続人調査、相続財産調査を行う必要があります。
税理士は、これらの調査についても行うことができます。
相続人調査は、誰が相続人であるかを確定するための調査です。
相続人に戸籍をお持ちいただき、その内容を確認して相続人を特定します。
また、相続人が戸籍をお持ちでない場合や戸籍が不足している場合には、職務上請求により、税理士の側で戸籍を取得することもできます。
相続財産調査は、被相続人の財産を確定するための調査、被相続人の財産を評価するための調査になります。
相続人から資料をお預かりして調査をしたり、役所で必要な資料を取り寄せたり聞き取りを行ったりすることにより、調査を進めます。
調査の内容によっては、相続人の委任状が必要になったり、相続人の側で資料をお取りいただいたりする必要が生じることもあります。
4 遺産分割協議書作成
税理士は、申告書作成に付随して、遺産分割協議書を作成することができます。
遺産分割がなされていることを前提として申告する場合には、申告書とともに遺産分割協議書の写しを提出する必要があります。
特に、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例を利用する場合には、遺産分割協議書の写し、印鑑証明書の原本を提出することが必須となります。
このため、税理士が遺産分割協議書を作成すべき場面も多いです。
もっとも、税理士が作成する遺産分割協議書は、あくまでも相続税の申告という目的を達成するためのものになりますので、相続した不動産の名義変更や預貯金の払戻等、他の手続に利用できる形式のものになっていないこともあります。
また、税理士は、申告書作成に付随して遺産分割協議書を作成することができるだけですので、申告書を依頼せず、遺産分割協議書の作成だけを依頼することは、基本的にはできません。
5 相続税申告
税理士は、相続税の申告書を作成し、申告手続を行います。
税理士以外は、専門家として、申告を行うことはできません。
相続税の申告に当たっては、申告書を税務署に提出します。
申告書だけだと、どのような根拠で金額を算定したのかが分からないことがほとんどですから、算定根拠となる資料も一緒に提出します。
一度提出した申告書を修正し、修正申告や更正の請求を行う場合にも、税理士に相談することとなります。
6 税務調査対応
提出した申告書に修正すべき点がある場合には、税務調査がなされることがあります。
また、相続税を納付する必要があり、申告をしなければならないのに、申告がなされていない場合にも、税務調査がなされることがあります。
こうした税務調査に対応することも、税理士の仕事であり、他の専門家が行うことはできないこととなっています。
税理士は、税務調査の前に依頼者と打合せを行ったり、税務調査の当日に立ち会って調査官に対する対応をサポートしたり、税務調査後に調査官とやり取りを行い、修正後の税額について協議したりします。
税理士が行う資料の収集と調査方法について
1 資料の収集
申告書を作成するに先立ち、税理士は、資料の収集をお客様に依頼したり、税理士自身で資料を収集したりして、必要な調査を行います。
所得税についても、申告書を作成するにあたり、一定の資料を収集する必要があります。
ここでは、所得税の申告で必要になる資料について、代表的なものを説明したいと思います。
⑴ 源泉徴収票
お勤めの場合は、年末に、勤務先から、給与所得の源泉徴収票が交付されます。
また、年金を受け取られている場合も、年末に、年金事務所等から、公的年金等の源泉徴収票が届きます。
源泉徴収票には、収入の額、源泉徴収された額、扶養親族の人数、生命保険料や社会保険料の額等が記載されています。
これらの情報は、申告に必要不可欠な情報ですので、源泉徴収票は、申告に当たり、欠かすことのできない資料となります。
⑵ 保険料の控除証明書
生命保険料を支払った場合には、保険会社から、年末に、控除証明書が届くものと思います。
また、健康保険料や介護保険料等、社会保険料を納付した場合には、自治体等から、1月前後の時期に、控除証明書が届くものと思います。
生命保険料や社会保険料については、生命保険料控除や社会保険料控除により、所得金額から差し引くことができるため、所得税を軽減する根拠となる可能性があります。
生命保険料や社会保険料については、ご自身の分だけでなく、生計を一にする家族の分についても、所得金額から差し引くことができます。
お勤めの場合は、年末調整の時期までに入手した証明書については、会社に提出すれば、生命保険料控除や社会保険料控除がなされた状態の源泉徴収票が発行されます。
お勤めでない場合や、年末調整の時期までに証明書を会社に提出することができなかった場合には、確定申告の資料として提出すれば、生命保険料控除や社会保険料控除を利用することができます。
⑶ 医療費の領収書、明細書
医療費の額が年間で10万円を超える場合や総所得金額の5%を超える場合には、超える金額が医療費控除の適用対象となり、所得金額から差し引くことができるため、所得税が軽減される可能性があります。
医療費についても、ご自身の分だけでなく、生計を一にする家族の分についても、所得金額から差し引くことができます。
医療費については、毎回の診察等で交付される領収書が、確定申告の際の資料となります。
また、健康保険組合等から1月前後の時期に届く医療費のお知らせを資料とすることもできます。
これらの資料に基づき、医療費控除の明細書を作成し、明細書を申告書に添付します。
現在では、領収書自体を税務署に提出する必要はないこととなっていますが、領収書については自宅で5年間保管する必要があるとされています。
⑷ 通帳等
申告の際には、通帳のコピーのご提供をお願いすることがあります。
これは、通帳の記載を確認することで、1年間の収入や支出を網羅的に把握することができ、漏れのない申告を行うことができるようになるためです。
長期間、通帳の記帳が行われていなかった場合には、おまとめ記帳になってしまうことがあります。
このような場合には、金融機関で、1年間の出入金の履歴の取得をお願いすることもあります。
2 調査
資料だけで申告書を作成することができず、追加で調査を行わなければいけない場合があります。
その際は、税理士の側で必要な調査を行うことがあります。
どのような調査が必要になるかについては、税目や問題となっている事項によって異なります。
このような調査を経て、控除制度の適用の可否等の判断がなされ、最終的な税額が確定されることとなります。
そのため、調査については、税理士の判断に委ねるのが良いといえます。
遺言についてお悩みの方へ
1 遺言が税金に関係する場合
現時点では、遺言を作成していることによって、税金が軽減されるという制度は存在しません。
とはいえ、遺言を作成していることにより、結果的に、税金を軽減する制度を用いることができるようになる場面があります。
ここでは、遺言を作成していることにより、小規模宅地等の特例を利用することができるようになり、結果的に相続税の負担が軽減される場面について、説明したいと思います。
2 小規模宅地等の特例と遺言
相続税申告の際には、被相続人が居住していた土地など一定の土地については、限度面積まで、評価額を減額する特例を用いることができるとされています。
具体的には、居住用の土地については、330㎡までは評価額を2割にすることができ、事業用の土地(貸付事業を除く)については、400㎡までは評価額を2割にすることができます。
このように、土地の評価額を2割にすることができ、大きく減額することができますので、税負担を大きく軽減できる可能性があります。
この小規模宅地等の特例を用いる場合には、一定の条件を満たす必要があります。
それは、特例の対象となる土地を被相続人の同居親族等、一定の親族が取得することが確定しているということです。
遺言が無い場合は、相続人全員が合意して遺産分割協議が成立しなければ、誰が土地を取得するかを確定することができません。
このため、相続人全員の合意が得られなければ、土地を誰が取得するかが確定できず、小規模宅地等の特例を用いることができないこととなります。
それでは、相続人全員の合意による遺産分割協議を行うことができない場合は、どうすればよいのでしょうか。
この場合には、生前に遺言を作成しておき、土地を誰が取得するかを確定しておくことにより、小規模宅地等の特例を用いることができる状況をあらかじめ作っておくことが考えられます。
このようにしておけば、相続人同士で争いが生じたとしても、遺言によって名義変更を行い、小規模宅地等の特例を用いることができる状況を作ることができます。
3 どのような税理士に相談すべきか
このように、税金の問題でも、遺言の作成が問題となってくることがあります。
とはいえ、税理士は法律の専門家ではありません。
法律の専門家である弁護士のアドバイスも得られた方が、より確実な遺言を作成することができます。
遺言についてのアドバイスも必要となりそうな場合は、弁護士等と連携している税理士にご相談いただくのがおすすめです。
参考にご覧ください
税金のことだけでなく、税理士への相談についての情報もありますので、ご相談前にご覧いただくのもよいかと思います。当サイトにはこの他にも様々な情報を掲載しています。